返信 20 スポック
投稿日 3/8(月) 19:42:10
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さて何らかの記録再生器において、
記録できる入力信号の範囲を「入力ダイナミックレンジ」と呼び、
再生できる出力信号の範囲を「出力ダイナミックレンジ」と呼ぶことにします。
肉眼における入力ダイナミックレンジはおよそ1:1000です。
再生ダイナミックレンジは定義できません。
銀塩フィルムにおける入力ダイナミックレンジはおよそ1:1000です。
再生ダイナミックレンジはおよそ1:100くらいです。
印画紙の入力ダイナミックレンジはフィルムの再生ダイナミックレンジに合わせてあり、
再生ダイナミックレンジはおよそ1:20〜30くらいです。
つまり銀塩フィルムで10分の1に、印画紙で3分の1くらいに明暗比を圧縮しているのです。
(残念ながらそんなに理想的には圧縮できていませんが。)
電亀に搭載されているCCD型受光素子で、1:1000の入力ダイナミックレンジを持つものは、
残念ながら現在のところはありません。
つまり自然光を入力の対象にしている電亀において、
ちょっと明暗比の大きい被写体を撮影すると、
その受光素子の許容範囲を越えて明るい部分は白く飛んでしまい、
暗い部分は全く黒く潰れしまうのです。
そして、それらの部分は撮影後では救済不能になります。
フィルムを入力の対象にしているフィルムスキャナでは、
銀塩フィルムが既に100分の1くらいに明暗比を圧縮してくれていますから、
仮に同じCCD型受光素子を使ったとしても、うんとこさ条件が良いのです。
さらに見逃せないことは、
ポジのアンダー側とネガのオーバー側では圧縮率が非常に大きくなっており、
それをさらに圧縮してしまう印画紙ではきれいな再生が難しくても、
部分的にガンマを操作できるデジタル画像処理ならば、
十分に救済可能な情報としてフィルム面に残ってくれるのです。
この大きくなった部分まで圧縮率に含めれば、
銀塩フィルムの入力ダイナミックレンジは1対数千になってくれます。
ゼットン師匠
ご納得いただけましたでせうか? |