Mamiya Press Super23

●カメラについて

マミヤプレススーパー23ブラック マミヤセコール100mm F3.5(沈胴)付き

 1967年8月の「マミヤプレススーパー23」の登場は,マミヤプレスシリーズ初の(そして唯一の)フルモデルチェンジといってもいいだろう。グラフロック規格のフィルムバックを採用した「マミヤプレスG」や,後部アオリ機構を廃した「マミヤプレススタンダード」は,いずれも1960年9月発売の初代「マミヤプレス」のマイナーチェンジモデルといえる。レンズを固定した「マミヤプレスS」も,初代「マミヤプレス」の派生モデルと考えてよいだろう。
 「フルモデルチェンジ」という表現を使いたくなるには,もちろん理由がある。その理由の1つは,ボディのデザインである。リンホフプレスを模倣したとも見なされるコンパクトなスタイルから脱却し,やや背の高い,ほぼ直方体で精悍なボディに生まれ変わっている。1969年10月に発売されたブラックボディは,その印象をさらに強めている。
 初代「マミヤプレス」から「マミヤプレススタンダード」までの4機種を「旧マミヤプレス」,「マミヤプレススーパー23」以降の機種を「新マミヤプレス」と呼んで,区別することにしよう。

妙に背の高い直方体のボディデザインには賛否両論あるが,近代感は増したと思う。
いや,それでも,古くさいといえば古くさいのだが。

 レンズマウントも変わった。旧マミヤプレスではレンズを回して取りつけるバヨネット式だったのに対し,新マミヤプレスではリングを回して絞めつけるスピゴット式に変更されている。ただし,マウントの形状そのものは変更がないため,レンズは一部を除いて旧マミヤプレスにも新マミヤプレスにも共通して使用可能である。

レンズマウントは,リングを回転して絞めつける方式(スピゴット式)になった。

 初代「マミヤプレス」の特徴であった,後部アオリ機構も用意された。アオリ機構は初代「マミヤプレス」と同じで,フィルムホルダを取りつけるバック部が,それぞれ独立したつまみでロックされる4本の支柱で支えられている。ボディと傾けて引き出せばチルトアオリ撮影ができ,ボディと平行に引き出すだせば接写にも利用できる。

バック部は4本の支柱で支えられており,アオリ撮影や接写ができる。

●撮影について

 旧マミヤプレスでは90mmレンズが標準レンズとして用意されていた(105mmレンズが固定された「マミヤプレスS」を除く)が,「マミヤプレススーパー23」には100mmレンズが標準レンズとして用意された。このレンズは,後部アオリ機構を利用するときのために,約10mm沈胴するようになっている。沈胴したときは距離計が正しく連動しないため,その警告がファインダー内に表示されるようになっている。
 フィルムホルダも,旧マミヤプレスと共通で使用することができるが,あいかわらずそれらの連動機能は皆無である。しかしながらマミヤプレスの,6×9判という大画面を手軽に利用できるシステムであるという本質は決して失われていない。

(by MATIA)


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