Mamiya 35EE merit

●カメラについて

 1962年に発売された,シャッター速度優先AE機構を内蔵したカメラである。シャッター速度は,1/30,1/60,1/125,1/250の4段階である。一方,絞りリングには,2.8〜22とAUTOのポジションがある。AUTOにすれば,シャッター速度優先EEがはたらくようになっている。露出計およびEE機構は,セレン光電池で作動するようになっており,電池等は必要としない。ファインダーを覗いたとき,下部には露出計の表示が見え,指針が絞り値(2.8〜22)を指すようになっている。
 レンズは,Mamiya-Kominar 40mm F2.8という,3群4枚のものが採用されている。Kominar(コミナー)とは,長野県の「日東光学」製レンズのブランド名である。ピント調整はゾーンフォーカス式だが,どこに設定しているかをファインダー内で確認できるようになっている。
 また,フィルムカウンタは逆算式になっており,フィルムカウンタが0になったときに,ファインダー中央部に「END」という文字があらわれる。

●撮影について

 このカメラの最大の特徴は,その名前が示すように,EEすなわち自動露出機構が内蔵されていることである。ピント調整はゾーンフォーカス式となっており,連動距離計は内蔵されていない。自動露出という「だれにでも確実に写る」機能を取り入れると同時に,「価格を抑える」ということも目的にし,販売対象としてはいわゆる初心者層を想定したものと思われる。

 実際に使用してみると,巻き上げてピント位置を選ぶだけだから,至極簡単に操作できることが実感できる。搭載されているレンズ,Mamiya-Kominar 40mm F2.8の描写はごく平凡なものであり,このカメラが想定しているユーザ層に対しては十分な機能と性能をもっているということができるだろう。


Mamiya 35EE Merit, MAMIYA-KOMINAR 40mm F2.8, DNP CENTURIA100

(by MATIA)


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