ロールフィルムホルダ3型

●評価の高いロールフィルムホルダ

 中判カメラ用のロールフィルムホルダは,右のRB67用ロールフィルムホルダのように,フィルムを中枠に裏返して巻きつけるようにして装填するものが多い。このような形状にすれば,たとえばフィルムホルダがコンパクトになるというメリットがある。また,二眼レフカメラやスプリングカメラなどでは,カメラ全体を小型にすることを目ざしているのか,実際に撮影される画面の近くでフィルムが屈曲することになり,平面性に問題があるという指摘がある。裏紙があって,圧板がフィルムを直接に押さえない120フィルムの場合,この問題がとくに顕著になるという。
 
 
 それに対してマミヤプレス用のロールフィルムホルダは,S字型の独特の形状をした長いものになっている。画面の両側から十分な長さのゆとりをもって,直線状にフィルムをひっぱることになるせいか,このロールフィルムホルダはフィルムの平面性がよいという定評がある。
 
 
 
 

●マミヤプレスの構え方

 マミヤプレスは大型カメラとしては小型軽量だが,小型カメラにくらべればずいぶんと重いカメラである。そこで,手持ちで撮影するときにもしっかりと握っておけるように,左手で握るグリップを取りつけられるようになっている。グリップにはケーブルレリーズが内蔵されており,左手でしっかりと握ったまま,シャッターをレリーズすることができる。このとき右手は,レンズを下から支えながらピント調整をおこなうことになる。また,左手でグリップを,右手でロールフィルムホルダを持つのもカッコいい。

 一般的なカメラの構え方は,左手でレンズを下から支えて絞りやピントの操作をおこない,右手でカメラ本体をしっかりと握って,右手の指でシャッターレリーズをおこなうという形になる。ロールフィルムホルダ3型には,右手の位置にシャッターレリーズボタンが用意されているため,これを使えば一般的なカメラと同じような構え方も可能になる。
 ロールフィルムホルダ3型とレンズのシャッターレリーズレバーを専用のケーブルレリーズで結べば,右手の位置にあるシャッターレリーズボタンを利用できるとともに,「引き蓋の抜き忘れ」や「二重露出」を防止することができる。「引き蓋」がはいったままでは,ロールフィルムホルダ3型のシャッターレリーズボタンはロックされた状態にあり,シャッターをレリーズすることができない。ロールフィルムホルダ3型のシャッターレリーズボタンでレリーズしたあとは,シャッターレリーズボタンがロックされるが,これはフィルムを巻きあげるまで解除されないのである。
 
 
 しかし,中古カメラ店で売られているロールフィルムホルダ3型には,附属の専用ケーブルレリーズが欠品になっていることが多い。このような機構を利用したいと考える人は,要注意である。
 
 
 
 
 
 


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