返信 3 MATIA
投稿日 8/16(金) 09:59:42
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私自身は,6×9判や4×5判を全紙に伸ばしたことはありますが,35mm判から全紙に伸ばしたことがありませんので,直接の比較はできません。ちなみに,4×5判と6×9判をそれぞれ全紙に伸ばした場合,それらの解像感(という言葉があるのかどうかは知りませんが)には大差なく感じます。
さて,1970年代の本からの引用ですが,次のような記述があります。
(引用開始)
統計によれば,対角線50センチの作品は平均79センチの距離から観察される。実験によれば,35ミリ判のネガ上のハウレットチャートによる解像力が20本/ミリあれば,このネガをトリミングなしで対角線50センチに引き伸ばして79センチの距離から見てシャープに見える(以下略)
(引用終了)
この本では,「人間の感覚は対数的にできているので(中略)対数目盛に換算したものを画質値と定める」「10点満点制に近づけて,6が必要画質を満たす良像の基準」として,種種のレンズを評価しています。そして,上記の引用部分の画像が,6に相当するようになっているとのことです。
このとき,35mm判での必要画質は「6」ですが,6×4.5判では「3.2」,6×9判では「1.0」ということになっています。つまり,ある程度,引き伸ばしたプリントを「作品として見せる」ことを考えれば,多少のレンズの性能の高さよりも,フィルム面積の大きさの方が有利に働くことが想像できます。
この本では,マミヤプレスのレンズは,おおむね1〜2段絞ることで「申し分ない」レンズであると評価しています(つまり,開放では厳しいということか (^^;)。特筆すべきは,50mm F6.3で,開放から申し分ないと評価されている一方,次のレンズは2段絞ったくらいでは「まだまだ」であるという評価がされています。
65mm F6.3, 150mm F5.6, 250mm F5
悪いものははっきりと悪い,と書いていることから,この本の記事は,よくある「提灯記事」ではなく,信憑性が高いものであると考えています。
ちなみに,対角線50cmのプリントというと,ワイド四つ切りくらいに相当するかと思います。35mm判では,ワイド四つ切りまでしか伸ばしたことがありません。このくらいでも,レンズの解像力よりも,フィルムの粒子の方が,気になることと思います。私は,カラーではもっぱらコダックの感度100のものを使用しますので,粒状性がよいというわけではないのですが。
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