私が作った、プレス用180mmと210mmの話をさせてください。
プレス純正レンズのラインナップでは、150mmの次が250mm(f5
かf8)なので、中間の画角が欲しいときは困ります。
私が仕事をもらっている舞台撮影の会社には、150mmのヘリコイドを利
用し、4X5用の210mmを取り付けたレンズが何本かあります。詳しく
は聞いていませんが、そういった改造をしてくれるところがあったそうで
す。そのレンズでは、無限遠調整はもちろんですが、いちおう距離計の連動
カムもついていたと記憶しいています。しかし、取り付けるレンズは別にし
て、加工料が10万円くらいするとのこと。それなら自作してみようと思い
ました。
ちょうどその頃、土方健介氏編の「手作りカメラ図鑑」というのを図書館で
見つけ、えらくはまってしまいました。プレス関係を集め始めたのも、いろ
いろと手作りカメラの部品に使えるためでもありました。(しかしながら、
今もってカメラを自作するほどの技術はないのですが。)その本で得た知識
から、いくつかのアクセサリーを組み合わせれば、プレス用レンズを自作す
ることが出来ることに気がつきました。
要はフランジバックが調整できるようにすればいいわけで、それにはペンタ
6X7用のヘリコイド接写リングを使うことにしました。そして、マウント
を変換するために、プレスの接写リングと組み合わせることにし、ペンタの
レンズマウントキャップ(リアキャップ)をくり抜いたものを、プレスの接
写リング(3か5)に押し込んだら、うまいことほぼ平行に押し込まれて固
定されたので、抜けないように回りをテープで(!)止めました。そして、
プレス用の1番のリングと組み合わせれば、リア側はプレスに取り付けられ
るようになり、フロント側にはペンタのヘリコイド接写リングが付けられる
ようになります。レンズ側は、アルミ板を切って作った、円形の自作レンズ
ボードにマウントした4X5用レンズを、ペンタのボディキャップに穴あけ
をし、ねじ止めして取り付けられるようにしました。そして、180と
210を共用するために、180にはペンタの2番の接写リングを、210
には3番を組み合わせて、フランジバックの調整をしてあります。
(後編に続きます。)
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