1952年に発売された,6×6判二眼レフカメラである。第二次世界大戦後のいわゆる「二眼レフカメラブーム」に発売されたカメラで,マミヤの二眼レフカメラとしては4つ目の機種になる。
マミヤの二眼レフカメラは,ピント合わせ機構の違いから,「前玉回転式」と「繰出式」の2つの系統に分けることができる。「前玉回転式」のカメラは,「マミヤフレックス・ジュニア」の後,「I」「II」という名称がついている。一方,「繰出式」のカメラは,フィルム装填時にフィルムのはじまりを自動的に検出するオートマットの「A」シリーズ,フィルム装填時に1コマ目だけ設定すれば以後は自動巻き止めのはたらくセミオートマットの「B」シリーズが併売された後,レンズ交換が可能な「C」シリーズに発展した。「C」シリーズは,最後まで製造・販売が続けられた日本製二眼レフカメラの1つとしても,よく知られている。
「マミヤフレックスII」は,マミヤの前玉回転式二眼レフカメラとしては最後のモデルとなる。ピント合わせ機構こそ,当時の廉価版二眼レフカメラによく見られる前玉回転式であるが,「セミオートマット」機構や,巻き上げとシャッターのチャージが連動する「セルフコッキング」機構などは,どちらかといえば高級なモデルに採用される機構である。実際,当時の他社の二眼レフカメラにくらべると,やや高価だったようである(¥25,000)。
発売年 | 前玉回転式 | 繰出式 | ||
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A | B | C | ||
1948 | ジュニア | |||
1949 | オートマットA | |||
1951 | I | |||
1952 | II | |||
1954 | オートマットB | |||
1955 | オートマットAII | |||
1956 | オートマットAIII | オートマットBII | ||
1957 | C | |||
1958 | C2 | |||
1962 | C3 | |||
1965 | C33 | |||
1966 | C22 | |||
1968 | C220 | |||
1969 | C330 | |||
1975 | C330f | |||
1982 | C220f |
「オートマットB」シリーズがセミオートマットで,「オートマットA」シリーズの下位モデル的存在になっていることを意識すれば,発売年度とあわせて,前玉回転式モデルが「オートマットB」シリーズに発展したものと解釈することができそうである。なお,1958年6月発売の「C2」までは「マミヤフレックス」という名称になっているが,1962年9月発売の「C3」以降は「フレックス」がつかず単に「マミヤ」となっている。
当時の代表的な二眼レフカメラである「ローライフレックス・オートマット」と並べてみると,「マミヤフレックスII」の方がやや大きいようだ。とくに,横幅が大きいことは,セルフコッキングのメカニズムが組みこまれていることによるものと思われる。
フィルムカウンタが1になっているのを確認したら,まず,巻き上げノブを回してみる。フィルムカウンタが動かずにノブがいつまでも回り続けるなら,フィルム装填の準備はできている。もし1になっていないなら,フィルムカウンタが1になるまで,巻き上げとシャッターレリーズを繰り返す。この状態でフィルムを装填し,裏蓋を閉めたら,赤窓にフィルム裏紙の1があらわれるまで巻き上げノブを回して,フィルムを送る。1があらわれたら,撮影準備の完了である。すでに,シャッターはチャージされている。シャッターレリーズをおこなうと,フィルムカウンタがすすむようになる。自動巻き止めがはたらくので,巻き上げノブがとまるまで回せば,1コマ分フィルムが送られて,セルフコッキング機構のために,シャッターのチャージも完了する。あとは,ピントを調整し,シャッター速度,絞りを選択するだけである。
*1 http://www.mamiya.co.jp/home/camera/museum/top3.htm/index.htm